リノべる株式会社 会社概要
「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」
中古不動産のリノベーションを中心に事業を展開。
その一つである都市創造事業では、オフィスの物件探しから設計・施工までワンストップで対応。2020年には、リノべる大阪オフィス、東京本社オフィス、それぞれの拠点で築50年のビルをリノベーションし、新たに移転オープン。
新しいオフィスのあり方・新しい時代の当たり前を、お客様と共にこれからもつくっていく。
設立:2010年4月
資本金及び資本剰余金:24億3,986万円
代表取締役:山下智弘
リノべる株式会社HPより https://renoveru.co.jp/
上野さん、本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
オープンからしばらく立て込んでおりましたが、ようやくお話できる機会を設けられてよかったです。
今回の北浜のお話をいただいてから、もう1年近く経つのですね。あっという間でしたね。
特に、開業してからの2カ月がびっくりするぐらい早かったです!
そもそも今回の件では、なぜSYNTHを選んでいただけたのですか。
まずはシンスさんが一番ここの土地に合う会社だと感じたところです。
士業の方だけではなく、大企業などに対しても堂島でサービス提供をされていることからの期待感もありました。
堂島と淀屋橋、北浜界隈は似ているところ多くありますね。
日本や大阪を代表するような大企業が多いエリアという点、また水辺であることも共通していますね。
弊社は従来OpenA様(
https://www.open-a.co.jp/)で施設設計をお願いしていました。
今回初めてリノべる様と事業を共同ですることになり、
まず、残すべきものと変えるべきところを社内で考える必要があると思いました。
今の堂島のお客様が大事にしている感覚や感性は残すべきであるが、
せっかくここで始めるなら、リノべる様の強みを出してほしいと。
弊社もリノべる様との協業を通じて学んでいきたいなという気持ちもありました。
今回路面店でもあり、今までの経験を活かして、いろいろと挑戦ができましたね。
上野さん、今回はどのような点を意識して、施設意匠設計をされたのですか。
お客様に安心感を持っていただける空間を目指しました。
シンスさんの顧客が上質なものを好まれる方が多いこと、また淀屋橋、北浜界隈という場所性もあるので、
安心できる空間、利用に対して不安を感じさせないこと、奇をてらったものでないこと。
親しみやすさと上質さを共存させることもポイントでした。
落ち着きがあり、明るい外光が入ってくるオフィス。
北向きの大きな窓が功を奏して明るすぎず、光は受付まで回ってくる明るいオフィスになりました。
シンスさんのイメージである上品さを継承してつくっていけたらなと思い設計しました。
弊社はすでに、堂島2フロア、四日市にも施設を展開しておりますが、従来施設と変えた点はありますか。
全体的に明るい色の木目を採用しています。
元々のエントランスの無機質な感じをなくすため、あえて明るい木目調で上品に仕上げています。
それに調和する家具のテイストが北欧風であり、軽い色合いではなく、シックな色づかいのものを合わせています。
カラーはシンスロゴのコーポレートカラーをアクセントとし、その対比として共用部分の色彩を選定しています。
木目調の色のほか、自然の色以外は基本的に入れないよう計画しています。
だから今回、エントランスのフロアマットについても、色は堂島と変えていますよね。
エントランスの正面の色を一番重視して、あえて他に色を入れない選択をしました。
ビルのエントランスの照明は青みがかった白色系でしたので、施設のイメージを変える役割をしています。
堂島のほうがもう少し木目が強く高級感がありますが、こちらはもう少しライトに、
かつグレードの高さを感じられるように、正目調の明るい木目を用いて明るい上質さを目指しています。
内覧会のアンケートやお客様の声からも、明るく開放感のある施設というご感想が多かったです。
堂島とはいい意味で違う雰囲気の施設ができたと思います。
この施設は開口部が広いので、街や建物に対して開いており、近隣の施設にはない開放感があります。
一方で、セキュリティ面の不安を感じる方もいる点については、
フラッパーゲートなどの設備でカバーできています。
そういった点でも、シンスさんのこだわりを施設計画にしっかりと反映しています。
今回はSYNTH初となるビルの1階、路面での展開だったのですが、何か意識されたことはありますか。
受付も会議室も、ラウンジの見え方も、外から中が見えるような部分と、
受付前でしっかり目立たせる部分との対比を考えてつくっています。
受付とエントランスは、天井の高さを落としてまでわざと垂れ壁をつくっています。
それがあることで、外から見たときに“一つ”に見えるんですね。
ところで、少し脱線しますが、施設で一番気に入っているところはどこですか。
私はエントランスまわりです。一番こだわってつくりました。
僕は個室の通路ですね。
床材もこれまでの素材や配色を変えたことが不安でしたが、うまくまとめていただきました。
内覧会でも、ラウンジだけでなく、個室通路を見たときに広いと感じる声が多かったです。
すっきりしている、開放感がありいい雰囲気だねという声もたくさんいただきました。庭山さんは?
夜に外から見た雰囲気です。
シンスのロゴだけでなく、ペンダントライト照明を個室まで続けたので一体感が出てすごくよかったと思います。
平野町の主要な道に面しているので、しっかりと施設を表現したいと思いました。
通常は間口の狭いビルが多いのですが、アーバンエース北浜ビルはすごく間口が広いんですよね。
さすがNTT都市開発様の施設です。
ビルが一歩引いていて、公開空地があるのもいいです。
ラウンジからも個室からも緑を感じることができます。
今回は、シェアオフィス、すなわち働く環境をデザインする施設づくりだったと思うのですが、
何かいつも以上の難しさはありましたか。
カフェとは違いオフィスなので、長くこの空間で過ごされます。ですので、いかに快適に過ごせるかを考えました。
特にシェアオフィスは、普通のオフィスに比べると、1、2名の利用が多いので、
部屋ごとにアクセントをつけることで専用空間でも、より集中できる環境にしています。
ラウンジ・共用部や受付、会議室の配置には難しいところもありましたが、
シンスさんからのアドバイスもあり、議論を重ねながら、良い仕上がりになったと思います。
シェアオフィスですので、隣接する部屋同士の音の問題は重要です。
天井まで吸音効果のあるグラスウール素材の壁を立てています。
会議室で話していても、エントランス側からの音はほとんど気になりません。
マンションリノベーションの良い部分からインスピレーションを受ける場合もあります。
共通している点は、建物に対してどういったアプローチをしていくかです。
リノベーションは何もないところからものをつくるのではなく、
皆様のご要望、建物本体、どんな場所に建っているのか、そのうえでどんなものをつくるのかという一連の流れがあり、今回もそれを意識しながらつくっています。
躯体であったり設備であったり、それこそエントランスに対してどういうところに入口があるのか、
既存の床がどうだったか、そういった点も全部加味しながら、すべてを新しくするのではなく、
活かすかたちで施設づくりをしています。
ビルオーナーのNTT都市開発様の感想はいかがでしたか。
とても好評でしたよ。こんなふうに変わったんだ、という驚きの表情がすごく印象的でした。
ビルオーナーさんとしても、この計画にはご満足いただけているということですね。
もちろんです。エントランスはビルの顔になりますので、これだけの施設ができれば、
ビルにとっても大きなプラスの影響があると思います。
コロナ禍、withコロナにおいて、すごく発展性のあるフレキシブルオフィス業界ですので、
今後またシンスさんと協業できればうれしいです。
レンタルオフィスの中でも、フランチャイズの様 に同じ仕様でしかできない会社と、
シンスのようなその土地や建物に合わせてやっていくタイプがあります。
上野さんご自身もその土地に合わせたオフィスづくりをされていると感じたのですが…
その場所その場所の特性を活かしていくことが、街にも良い調和が生まれ、
利用する方々も楽しく使えると思います。
シンスはオーナー様たちと話し合って施設計画をつくるスタイルであり、これが私たちのやり方です。
でも「SYNTHらしさ」はどこかに残しています。
今後もリノべる様とさまざまな施設で協業ができれば幸いです。